2020年にプログラミングが義務教育になって早くも数年。
開始当初に比べると様々なプログラミング教材や教育コンテンツがたくさん見られるようになりました。
「うちの子にちょっとさせてみたいんだけれども、一体何がいいの?」
「子供にわかりやすく教えるのには、どの教材がいいんだろう…」
と悩まれる方もいらっしゃることかと思います。
今回は、無料で使えるプログラミング教材から子どもたちに人気のプログラミング教育コンテンツまで、幅広くご紹介していきます。
無料で手軽に使える子供向けプログラミング教材はコレ!
お子さんにさせたい場合や、指導に使う教材であるならば、なるべく無料で手軽に始められるものがいいですよね。
そんなときにピッタリな教材は以下の3つです。
Scratch(スクラッチ)
現在教育現場では知らない人はいないと言ってもいいほど、日本のプログラミング教育ではメジャーなプログラミング教材です。
アメリカのマサチューセッツ工科大学にある「MITメディアラボ」が開発したプログラミング言語です。
「プログラミング言語」というと一見難しそうな響きに聞こえますが、何も外国語のような難しい文字を操る必要はありません。
子供たちにでもかんたんに操ることができてしまう「ビジュアル型プログラミング言語」なのです。
ビジュアル型プログラミング言語とは?
先ほども申し上げた通り、社会人が業務で使用するようなプログラミング言語であれば、英語のようなつづりやスペリングのプログラミング言語が大半です。
ですので、お子さんが「プログラミングを始めよう!」というように入門に使用するのであれば不向きです。
「ビジュアル型プログラミング言語」は、そうした難しい英語のスペリングのようなものの代わりに、
- 「キャラクターを前進させる」
- 「クルッと回転させる」
- 「Aのメロディーを流す」
といったように、あらかじめ命令が設定されたブロックが用意されています。
そのブロックの中から使いたいものを選び、上から順番につなげていくだけでプログラミングができます。
このブロックの使い方を知るだけで、プログラミングの考え方を学ぶことができますので、知らず知らずのうちにプログラミングの基礎を身に着けることができます。
他にご紹介する2つと比べて難易度は上がりますが、将来本格的にプログラミングを学びたいのであればScratch(スクラッチ)はおすすめできる教材と言えます。
キャラクターや音声、背景の壁紙など、素材は豊富!
もう一つScratch(スクラッチ)の利点といえるのが、素材の豊富さです。
代表的なオレンジのネコをはじめ、動物、妖精、食べ物、ヒトまで、様々なキャラクターを登場させることができます。
音声素材も豊富で、BGMに使えるような音楽や、生き物の声、楽器の音までいろいろなシーンに使える素材がたくさんあります。
加えて、場面を彩る「背景(壁紙のようなもの)」も種類があり、好きなシーンを選んで使うことができます。
プログラミング次第では、背景の画像を変えることもでき、まるでドラマのような映像を作ることもできます。
Viscuit(ビスケット)
Viscuit(ビスケット)は日本で作成されたプログラミング言語で、元NTTコミュニケーション科学研究所で研究をしていた原田康徳さんによって開発されました。
先程ご紹介したScratch(スクラッチ)と比べ、ブロックを選んだり、つなげたりしてプログラミングをするものとはまた違ったプログラミング言語になっています。
「絵を描く」ことによってプログラミングをするのが、Viscuit(ビスケット)の大きな特徴になっています。
命令は文字で考えないので、小さいころからプログラミングに触れやすい
「絵を描く」ことによってプログラミングをするのが、Viscuit(ビスケット)の大きな特徴だとご紹介しました。
けれども、
「え、実際に絵を描くだけなら遊びなんじゃない…?」
と思われる方もいるかと思います。
ただ、そこはしっかりとプログラミングを学べるような構成になっているのでご心配なく。
Viscuit(ビスケット)は
- メガネ
という名前の仕組みを利用してプログラミングをしていきます。
具体的にどういうことかといいますと、
- Before(ビフォー)→After(アフター)
のように、考えます。
最初の絵を描いた後、隣に次の絵を描きます。
すると、最初に描いた絵がしばらくすると次の絵にうつり変わります。
この仕組みを使って、
「次の絵をどう動かしたいか」
「こう見せるには次はどう描いたらいいのか」
ということを子どもたちは考えるようになります。
Scratch(スクラッチ)で要求されるような、ブロックの扱い方は求められませんので、そのような点からみて、小さなお子さんからでもプログラミングを体験することができる教材となっております。
子どもたちに優しい画面
もう一つ挙げられるのが、「お子さんに優しい画面」であるということ。
具体的にどういうことかといいますと、操作のボタンも全て「絵」で解説されているということです。
どんな子ども向けのソフトやアプリでも、文字を画面で使わないことの方が難しいです。
しかしながら、Viscuit(ビスケット)の操作画面は全て、絵やマークで成り立っています。
最初は「これはこんなボタンだよ」というふうに教えてあげなければいけませんが、慣れてくれば子どもにとっては使いやすいものとなります。
ボタンの数も多くはないので、お子さんが混乱することも少ないでしょう。
Springin‘(スプリンギン)
タブレットやスマホなどのIT端末で、ゲームや絵本を自由に作ることができる、『創造的プログラミングアプリ』です。
できることや作り方を聞いてみると、
「なんだ、Viscuit(ビスケット)とおんなじじゃん」
と思われるかもしれませんが、少し違います。
Springin‘(スプリンギン)の特色は
- iPadやiPhone、iPod Touchのみでしか使用することができない
- Viscuit(ビスケット)に比べると自由にお絵描きがしやすい
(Viscuitは「めがね」という仕組みで絵を動かす必要がある) - 録音した音声を使うことができる
- 音階を設定することができ、楽器を作ることができる
といったような点が、Viscuit(ビスケット)とは違います。
自由にお絵描きしやすい
Viscuit(ビスケット)はアプリでもパソコンでもできますが、Springin‘(スプリンギン)はスマホ、タブレット上でしか使うことができないものです。
ですが、Viscuit(ビスケット)の「めがね」の仕組みのように、「Before」の絵や「After」の絵を設定する必要はありません。
真っ白な紙に一から絵を描いて、その後にキャラクターの動きを設定したりするので、お子さんが始めるのにはあまり負担はないと言えるでしょう。
ゲームや絵本、楽器が作れる
Viscuit(ビスケット)もSpringin‘(スプリンギン)と同じく絵を描きながらプログラミングを学習するものです。
しかし大きく違うのが、「絵」を使ってできることの違いです。
Viscuit(ビスケット)はあくまで絵を動かすこと、アニメーションに特化したプログラミング教材です。
しかし、Springin‘であれば描いた絵を使って「ゲーム」や「絵本」「楽器」など、さまざまなものを製作することができます。
オリジナルの絵を使っての創作はScratch(スクラッチ)でもできますが、パソコンなしでそれを実現したいのであればSpringin‘(スプリンギン)は年齢を問わずに入りやすい教材であると言えます。
子どもたちに人気のゲームを使った教材も
以上ご紹介した3つが無料でかつ手軽に使い始めることのできる、子ども向けプログラミング教材です。
けれども、子どもたちの中には
- すぐ飽きる
- 自分がいつもやっているゲームの方が楽しいと言う
などなど、上記のプログラミング教材だけでは難しい場合もあります。
学校現場の場合であれば、上記の3つの中からやりやすいものを選んで、教員の方がオリジナルの問題を作成する程度でも大丈夫でしょう。
しかし、お家でお子さんにやらせる場合であれば、自分で取り組むのがなかなか続かないお子さんもいらっしゃいます。
そんなときには、ご紹介した3つの教材以外で、子どもたちが楽しんで取り組みやすい教材を進めてみるのもよいでしょう。
これらは、一般のご家庭や学校では入手しづらいので、プログラミングスクールもしくはパソコン教室でしか取り扱いがありません。
場合によっては、習い事として始めてみるとよいでしょう。
子どもが楽しくできるプログラミング教材①マイクラッチ
教材会社「デジタネ」が提供する、プログラミング教材です。
世界中で人気のゲーム「マインクラフト」の世界でプログラミングの学習を進めることができるものとなっています。
「マインクラフト」の中で出てくる登場人物や生き物たちを使ってプログラミングをし、毎回出題されるミッションをクリアしていくというものですので、お勉強が苦手なお子さんでもとっつきやすい内容のものです。
説明専用の動画もあり、かわいいキャラクターが操作方法を一から教えてくれますので、わかりやすく学習を進めることができるので安心です。
子どもが楽しくできるプログラミング教材②Artec(アーテック)自考力キッズ
先ほどご紹介した「マイクラッチ」はパソコンの中だけで学習を進めるものです。
ただ、こちらの自考力キッズや、この後にご紹介する「エジソンアカデミー」は
- ロボットを自分で作る
- 動かす命令も自分でプログラミングをして作成する
ということができる内容ですので、社会で行われている「実際のプログラミング」に近いようなものを体験することができます。
Artec自考力は、
- 年長~小学校6年生くらいまで幅広い年代に対応
- 「車をはしらせる」「車を思い通りに動かす」「車を走らせて絵を描く」など、製作するものは比較的シンプル
- ロボットの作り方は図解が載った手引書があるため安心
- 命令を作る画面は、矢印などのマークを順に並べて作るため、小さなお子さんでもわかりやすい
という特徴があります。
もちろん、専任のインストラクターがいますので、わからない場合は一緒に考えたり、製作をサポートしますので、一人で悩むということはありません。
実際に命令で「モノ」を動かすことができるということを体験したい、ロボットが好きというお子さんにはお勧めできるものです。
教材会社Artec(アーテック)が提供する教材です。
子どもが楽しくできるプログラミング教材③エジソンアカデミー
こちらも株式会社Artec(アーテック)が提供する、プログラミング学習教材です。
先ほどご紹介した「自考力キッズ」とは異なり、対象年齢が小学校4年生からとなっています。
製作するロボットもより複雑になり、学習内容もより豊かになってきます。
- 信号機をつくる
- 多足歩行ロボット
- かみつき番犬ゲーム
といったように、シンプルで作りやすいものが多かった自考力キッズとはまた違った内容です。
構成に加えて、プログラミングの面でも難しさが増えます。
先ほどご紹介したビジュアル型プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」に類似した、ブロック型のプログラミング言語を使ってプログラミングするようになっています。
「10秒間動かす」「くるっと右に回す」といった内容のブロックをつなげるだけでプログラミングできるようになっています。
自考力キッズがマークを並べてプログラミングができたのに対して、少し扱う素材の難易度も上がるというイメージを持っていただけるといいかと思います。
〇このブログ記事のまとめ〇
子ども、特に小学生にお勧めできるプログラミング教材について、いくつかご紹介をしてきました。
プログラミングを始めたいけれども、何を使って始めるか、お悩みの方はぜひ参考にいただけますと幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。