パソコンスキルを証明するのに人気のMOS資格。
どんな試験か調べてみたりすると、ネット上には意外にもMOSへの容赦ない口コミが多かったりします。
「あんなの意味ない」
「金の無駄だ」
「そこらの小学生でも取れる」
といったような、誹謗中傷にも近いコメントもあったりしますよね。
実際のところはどうなのでしょうか。
今回は、MOS資格は資格として有効であるかどうか、無駄ではないのかどうかについてお伝えをしていきます。
もくじ
MOS資格は人によっては意味のあるもの
先ほどご紹介したMOS資格への誹謗中傷に近いコメントをされる方々にとっては、MOS資格など取るに足らないような存在なのでしょう。
確かに実際、事務職を何十年もバリバリやられている方や、学生時代からパソコンに目覚ましかった方であれば、内容を理解したり資格を取得したりするのには苦労をしないのかもしれません。
けれども、忘れてはいけないのが、世の中何でも「個人差」があるということ。
通販番組で
「※この効果は個人差があります」
といったような記述を見かけるように、物事にはあくまでなんでも個人差があるものです。
だから言ってしまいますと、MOS資格を難なく理解し、取得できてしまう人もいれば、パソコンスキルやオフィスに乏しい人からすると、絶対に「かんたん」なんて言いきれないのです。
MOSは合格しやすいの?
「資格」の仕組みから見ると合格しやすいといえる
「第1部と第2部で午前、午後と分かれている」
「合格率が異常に少ない」
といったような難しい試験あるあるにはMOS資格は当てはまりません。
試験時間も50分と少ないですし、しっかり内容の理解・勉強と模擬問題を解くと合格にグンと近づきます。
国家資格や問題数が多すぎて地獄を見るような試験と比べ、そこらあたりの点では、
「取得しやすい」
「受かりやすい」
といえるかと思います。
あくまで民間の資格ですし、ある程度Office(Word、Excel、PowerPointなど)を最初から簡単に使える方であるならば、しっかりと勉強時間を確保して対策をするならば、受かる可能性は非常に高いです。
その点からみて、
「誰でも取れる資格」
と言われることが多いです。
MOS資格は気軽に受験ができる
MOS試験の場合は、基本的に1年中のほとんどの日程で受験が可能です。
ですので、一度再失敗したところで、「また一年後かー」ということはまずありません。
再試験は前の受験より数日空けなければいけないこともありますが、簡単に1週間以内に再試験を受けることができます。
チャンスが多いという点を考えても、MOSは気軽に受験ができる、わりと合格しやすい試験といえるでしょう。
本当にMOS試験は価値のないものなのか?
価値はあります。
これもあくまで筆者の主観ですが、あるといえます。
知名度が高い
MOS試験の利点でまず一番に上がるのが、何といっても知名度が高いこと。
MOSという名前を聞くだけで、ほとんどの人が
「あぁー、あのパソコンの資格ね」
とピンとくるはずです。
また、あのMicrosoft(マイクロソフト)が認定している「国際資格」でもありますので、この事実は非常にインパクトがあります。
やはり「マイクロソフトが認証」という事実だけでも箔がつきますので、このメリットは大きいかと思います。
試験内容が実務に近い
最も重要視すべきことが、
「試験内容が限りなく実務に近い」
ということです。
もちろん、MOS試験のすべての内容が実務に沿ったものであるかというと、そうではありません。
中には
「絶対これ、要らないよね」
という内容もあったりします。
ですので、「すべて」が実務に近いというわけではありません。
それでもMOSのWord、ExcelのSpecialist、PowerPoint(PowerPointにはSpecialist、Expertはない)は、ソフトを操作するうえで、基本的にできていなければいけない内容が多数を占めているということは言えます。
どのソフトでも資料作成の際に、基本的に使う機能がしっかりと掲載されているからです。
試しに、MOSの対策テキストで、学習範囲がどのようになっているか見てみましょう。
ワード(Word)スペシャリスト
文書の管理
文字、段落、セクションの挿入と書式設定
表やリストの管理
参考資料の作成と管理
グラフィック要素の挿入と書式設定
文書の共同作業の管理
エクセル(Excel)スペシャリスト
ワークシートやブックの管理
セルやセル範囲のデータの管理
テーブルとテーブルのデータの管理
数式や関数を使用した演算の実行
グラフの管理
パワーポイント(PowerPoint)
プレゼンテーションの管理
スライドの管理
テキスト、図形、画像の挿入と書式設定
表、グラフ、Smart Art、3Dモデル、メディアの挿入
画面切り替えやアニメーションの適用
難しい表現で書かれていますが、要はそれぞれのソフトで文字入力、簡易的な文字や図形、デザインなどの装飾、文書のページの管理、保存ができるようになるレベルを、これらの目次は表しています。
これらの操作が難なくできないと「Officeが使える」とは言えません。
- 基本的な操作がしっかりできるということ
- 実務に近いスキルを基礎レベルまでは習得していること
この2点をご自身が持ち合わせていることをMOS資格は客観的に証明をしてくれるのです。
元々パソコンを触っている方であれば、抵抗なくできるので、このような部分が「かんたん」「無駄」と言われがちなのかもしれません。
けれども、この基礎ができなければ、応用の範囲のものに取り組んでみたってさっぱり難しいはず。
あくまで「勘」でしかパソコンを操作できないということだと言えます。
自分がどこまでパソコンができるか自信のない方にとっては、
- 基礎固め
- 自分が基礎レベルでしっかりパソコンが使えることの証明
といった点においてMOS試験は適切なのではないでしょうか。
「小学生でも取れる」はウソ
先ほどご紹介した口コミの中に、
「小学生でも取れる」
といったようなものがありました。
実際に筆者がとあるサイトで確認をしたコメントです。
もちろん、このコメントをやり玉に挙げる気はさらさらありません。
しかしMOS試験は、内容に関しては
「かんたんにとれる」
「小学生でもわかる」
といったようなコメントとは全くそぐわないものです。
例えばExcelのMOSを例題に挙げます。
「外部のテキストファイルからデータを取り込む」
「VLOOKUP関数を使って、この品番に対応する商品を出してくる」
「縦棒グラフを作成して、凡例は非表示にする」
こんな内容を果たして小学生が意味まで理解できてしまうのでしょうか?
よっぽどの天才児でなければ難しいです。
大人からしても難しいと思う人には十分難しいものですし、Officeの操作方法や機能を熟知していなければ合格するのは不可能です。
そのため、MOS試験は決して「小学生レベル」ではありませんし、受験するのは意味のないことではありません。
MOS資格で履歴書ウケはよくなる?
はっきり言って2つに分かれると思います。
求人条件で、
- WordやExcelが最低限使えること
- パソコン系の資格を持っている方、優遇
といったような記載がある会社については、高評価でしょう。
やはり、資格を取得して記載があるのであれば、ある程度自分がパソコンを使いこなせるスキルを持っていることの証明になりますので、それ相当の評価はされるかと思います。
逆に、
- パソコンの必須条件が求人に全く書かれていない
- そもそも業務であまりパソコンを使いそうでない
といった感じが読み取れる求人では、MOS資格を持っていたとしてもあまりウケはよくないかもしれません。
例えば、以下のような内容が求人に書かれていた場合。
事例その①
【主な業務】
本社、並びに支社の管理業務全般
スタッフの管理監督業務
スタッフに対する教育・評価・研修スケジュール管理
データ入力・発注・発行書類の管理・報告書の作成
緊急時の対応・管理
そのほか上記に付随する業務全般
この例はあまりに業務内容が専門的で、しかも多岐にわたります。
実際、このように業務内容をたくさん書いている求人はあります。
そしてこの例で着目すべきなのが「データ入力・発注・発行書類の管理・報告書の作成」という部分です。
この部分に関して詳細な記述は全くと言っていいほどありません。
詳細な記述といいますと、
「パソコンはどこまでのレベルの人を募集します」
「大体このレベルまでできる方が望ましいです」
といったような記述です。
このような記載がない場合は、逆に言いますと
「サクッと資料を作れて、ある程度のトラブルは自分で解決できるような人じゃないとだめだよね」
といったように、採用者は最低でもOffice中級者を想定していることが多いです。
パソコンを使用するのが苦でなく、毎日の業務でスラッと使える人をそもそも求人の対象にしているためです。
業務量が多かったり、専門性が高かったりする場合、
「えっと、ここの部分に色を付けるのはどうすればよかったっけ…?」
と初歩的なことで悩んでいる人には業務が務まらない場合があります。
ですので、具体的に仕事の内容は書いてはいるものの、パソコンのレベルについて詳細が書かれていない場合は、MOS資格を持っていたとしてもあまり効果がない可能性があります。
事例その②
【仕事内容】
工場内で部品をセットするなどのかんたんな作業から始めます!
部品をセットしてボタンを押す、出来上がったものの検品作業をする、などが主な仕事です!
主に片手で持てるほどの重さの部品ばかりなので、重労働はありません。
先輩がマンツーマンでしっかり教えてくれるので、最初からできなくても大丈夫。
ゆっくり学んで、一人前になるまで頑張ることができます。
このようなパソコンをあまり使わなさそうな仕事であれば、MOS資格をアピールしたところで重要視してもらえない可能性が高いです。
専門性が高いうえに、パソコン以外の機械を使いそうな技術職ですから、工場勤務に慣れている人、工場にある機械に慣れている人が優遇されるというわけです。
そのため、
「私はパソコンがある程度できて、MOS資格も持っているんです」
と主張をしたところで、業務にあまり使わなさそうな場合は効果が低いです。
「あぁ、パソコンも一応できるのね」
といったような印象でとどまるかもしれません。
ですので、ご自身が応募するお仕事の業務内容が果たしてMOS資格にどれほど関連があるかどうかをちゃんとチェックしておきましょう。
〇このブログ記事のまとめ〇
MOS資格は果たして役に立たないのか、取得してどのようなメリットがあるのかについてお伝えしてきました。
結論は、「人によってMOS資格は役に立つ」というものでした。
MOS資格といえども、受験すると決断するのはなかなか難しいもの。
自分にとって必要かどうか、この記事も含めいろいろな情報収集をして、前向きに考えていただけると嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。