パソコンスキルを証明する資格はいろいろとありますが、タイピングの検定資格を持っておられる方は案外多いですよね。

いざ取得したのは良いけれども、

「これって、履歴書に書いても効果あるの…?」

と疑問に思われたことはありませんか?

今回は、タイピング検定を履歴書に書くのは恥ずかしいことかどうか、これにテーマを決めてお伝えしていきます。

タイピング検定は履歴書映えしない

履歴書に書くこと自体は恥ずかしくない

履歴書に書くこと自体は恥ずかしくはありません。

ご自身がタイピングにおいて特化していることの証明にもなりますし、努力をしてきたことの証でもありますので、書きたい方は書かれてもいいでしょう。

「人間であれば誰でも取れる」くらいかんたんなものではありませんし、それなりにタイピングの技能があるということを客観的に示せるものかと思います。

しかしながら、タイピング検定が採用の決め手になるかといいますと、決め手にはならないことが多いです。

タイピングの凄さを面接官全員が知っているわけではない

というのも、履歴書を見てくれる人は必ずしも「タイピング」に精通しているわけではありません。

具体的に「10分間で〇文字打てればすごい」という基準を頭の中で持ち合わせている面接官はあまりいないのではないでしょうか。

社員全員が恐ろしいほどタイピングが速いのであれば、タイピング検定を軽視する理由はわかるのですが…。

そうでもないのにかかわらず、なぜかタイピングができること、タイピング検定を持っていることはあまり重要視されないのが日本社会なのです。

かなり速いスピードでタイピングができるだけで、日本国内の業務効率がどれだけ改善するか。

よくよく考えるとわかることだとは思うのですが…。

日本社会にはなかなか通用しにくいのがタイピングです。

ただ、他の資格と一緒に併記しておくと、

「おっ、もしやなかなかできる奴かもしれない」

と思ってくれる可能性は十分にあります。

ハンバーガーと一緒にセットでついてきてうれしいポテト程度の扱い、といったようなものでしょうか。

オフィススキルを証明する「MOS資格」や「簿記」の資格などなど、何か他の資格と併記することによって、単体で書いても恥ずかしい思いをすることはないでしょう。

タイピングは高校生・大学生の内申書には非常に有利

筆者は高校時代、とある協会のタイピング検定の1級を取得しました。

そのほかにもワープロ1級や、表計算、プレゼン資料等々、資格をまるっと取得し、担任の教師に

「先生、内申書に全部書いてくれますよね!ね!」

とがきんちょながらも圧をかけにいったことがあります。

残念ながら

「お前、そんだけ書いても見てもらわれへんがな」

と冷たーくあしらわれた記憶が、苦く残っております。

ただ実際に、進学の際の内申書でタイピング検定を書くことは、かなり合格に効果的であると思います。

結局筆者もいくつか内申書に書いてもらうことができ、無事に志望大学に合格できました。

最近でも、当教室に通う高校生もタイピング検定を取得したのち、無事に高校に合格してくれました。

社会人の履歴書においてあまりインパクトはないかもしれませんが、学生のうちに取得してアピールすること自体は無駄ではありませんし、むしろかなり効果的です。

普段の学校での学業以外でも「こんなこと、頑張りました!」というアピールをすることには最適ですし、なんせタイピングスキルは一生自分の手元に残るものです。

その点からみて、タイピング検定を取得すること自体は「無駄」でもなんでもありません。

タイピング検定は何級から履歴書に書ける?

筆者は断然、1級もしくは2級からであると思っています。

他のウェブサイトにもいくつかこのような記述があって、「大体3級から…」というような記述がされていることは多いです。

けれども、筆者の考えを言いますと、最低でも2級からぐらいでないと

「あぁ、君、タイピングできるのね」

とはなかなか言ってもらいにくいかもしれません。

その辺は漢字検定や英語検定の扱いと一緒ですね。

タイピング検定を出している協会によっても違いますが、1級、2級はオフィスで働く際に全く問題ないとされるレベルであることが多いです。

タイピングの検定で1・2級が取れているのであれば、履歴書に書いても十分問題はないかと思います。

どのタイピング検定がおすすめ?

問題はタイピング検定に「知名度」があるかどうか

どこのタイピング検定がおすすめなのか。

一概に結論は出せません。

他のウェブサイトで書かれている方の記述では

「あの検定は、変換して入力する部分がないから、タイピングの実力を証明するものにはならない」

と、特定の検定に対して「そもそも取得する意味がない」といったような主張を見ることもできました。

けれども、問題は「知名度があるか」どうか。

筆者はそれに限られてくると思うのです。

先ほどもお伝えしましたように、社会人の就職活動で履歴書を見てくれる人は、タイピングの検定についてほとんど知らない人が大半です。

知っている人がいれば、逆にかなりマニアックだとも言えます。

ですので、いかに知らない人にアピールしていくか…。

答えは「知名度」しかないかと思うのです。

ただでさえ、タイピングの資格は軽視されがちであるのに、あまり聞いたことのないタイピング試験では、思わず試験官も「?」と首をかしげてしまうはず。

本来の視点から言えば、入力に対するスピード、速さ、そして変換の間違いが多いかどうかなど、その辺を詳しくチェックできる検定にすべきですが、残念ながらそこまで面接官はすごさをわかってくれません。

履歴書、内申書狙いでタイピングの検定を受けられるのであれば、「知名度」に焦点を絞ってタイピング検定を選ばれるのも一つのではないかと思います。

知名度が比較的ある検定

筆者の独断と偏見で、比較的知名度があるタイピング検定を3つご紹介します。

イータイピング・マスター

有名タイピングウェブサイト「e-typing(イータイピング)」の運営会社が出しているタイピング検定試験です。

タイピングと検索をかけると、ほぼ90%の確率でイータイピングのサイトが検索にヒットします。

タイピングを少しでも練習したことがある人であれば、イータイピングの名前を知らない人はまぁいないでしょう。

ですので、知名度は抜群です。

試験内容は、級によっては異なりますが、主に3つのパートから構成されています。

例えば1級であれば、「単語」「短文」「長文」といった3つの部分が出てきますから、それぞれの部門をイータイピングが定めている得点までクリアすると合格、ということになります。

試験自体は、インターネットのブラウザ上で受験ができます。

イータイピングをおすすめする理由は以下の3つ。

  • インターネットにつながったパソコンさえあれば、どこでも受験ができる
    →決められた遠い会場に行く必要はない。
  • 個人で申し込んで受験もでき、認定スクールからの申込もできる
    →受験の選択肢が幅広い
  • 試験の問題にそっくりの「模擬問題」が無料で繰り返し練習できる
    →イータイピングのサイト問題も合わせて活用することで、無料で試験対策ができる

といったような利点があります。

中には先ほどご紹介したように「漢字やカタカナに変換する」という項目がない試験ですので、一部の人にはその辺が納得いかないようではありますが。

けれども、気軽に準備ができて受験ができる、そして知名度があるという点では、なかなか勝てるタイピング試験はないかもしれません。

イータイピング・マスターのウェブサイトはこちらから

文書入力速度認定試験(日本情報処理検定協会)

こちらもイータイピングと同じ、愛知県に本拠地を置く協会です。

1985年に設立され、全国の多くの高等学校、大学、短期大学などの教育機関が団体登録をしているほど、教育機関とは密接につながりが見られる協会です。

夏には毎年「全国パソコン技能競技大会」と呼ばれる大会も開かれていて、所属する全国の教育機関から参加者が集まり、タイピングや文書作成、表計算作成等様々な部門で全国トップが競われます。

一応「文部科学省も後援している」パソコン試験だそうです。

ちなみに筆者は高校時代、こちらの検定を丸ごと取得しました。

こちらの文書入力速度認定試験は、紙に印刷された長文を指定された形式のWord(ワード)に10分間入力していく、というものです。

文書入力速度認定試験をおすすめする理由は以下の通り。

  • 「文部科学省後援」の箔がつく、協会自体の運営も長いため知名度もそこそこある
  • 漢字カタカナもろもろ変換をして入力する必要があるので、実務の入力にほど近い試験内容
  • 高校や大学が協会に団体登録をしている場合、学校での申し込み、受験が可能(学生向け)
    →一般向けには試験校が少ないので、協会のホームページで調べる必要があり

といったようなものです。

なお、試験対策は問題集が協会のホームページで販売されている(770円程度)ので、そちらを買って対策をされるもよし、あとはホームページ上で近年の過去問題は数年分公開されているのでそれを利用するのもよし、です。

○○○文字以上打てたら▲級、といったように入力できた文字数に応じて級が認定されるので、その辺はホームページを読んで注意が必要です。

日本情報処理検定協会の文書入力速度認定試験のサイトはこちら

ビジネスキーボード(日本商工会議所)

簿記試験でおなじみ、「日本商工会議所」が統括しているタイピング試験、ビジネスキーボード。

「日本商工会議所が出しているんです」と伝えればという条件付きで、知名度はそこそこあるかもしれません。

日商(日本商工会議所)はそもそも、「簿記」の知名度と信頼が半端ないところが社会ではありますので、「日商の」というだけで納得する方もまれにいらっしゃいます。

問題内容は日本語、英語、数値の3つに分けられるため、「日本語の文字だけ打てればいい」とお考えの方はちょっと苦戦するでしょう。

出題範囲は以下の通りです(公式ホームページから引用。)

  • 日本語…短文(1行、複数行)、単語(漢字)、単語(カタカナ)、ことわざ、4字熟語など
  • 英語…短文(1行、複数行)、単語、熟語、アドレス等
  • 数値…数字、郵便番号、日付、漢数字→算用数字、記号付き数字など

今まで紹介した2つの検定に比べては少し異色の内容ですね。

ですが、まんべんなく打てるという点においては技能をしっかり示すことができるので、その点においてはいいタイピング試験であると言えます。

英語の入力、数字の入力も怠らずに練習をしていると、いいランクに認定をされるでしょう。

このビジネスキーボードは、〇級に合格、というよりは、「日本語」「英語」「数字」でそれぞれ何文字入力できたかというところに視点を置き、打てた文字数に合わせてランクを認定していきます。

一番上位はSランクでその後にA…B…C…Dと続いていきます。

詳しくは日本商工会議所のホームページから、こちら

「タイピングはできて当たり前」のクセに打てない社会人は多い

この記事を書くにあたっても、いろいろとネット上の声を調べてみました。

するとやはり、

「タイピングなんて社会人だからできて当たり前」

「タイピングの検定なんて、優遇されるわけない」

と非常にネガティブ極まりない意見しか出てきませんでした。

けれども実際、会社ですべての社員がすらすらと入力ができているところは、日本中どこを探しても発見するのが難しいのではないでしょうか。

「社会人だからできて当たり前」の背景には、仕事をしながらその場その場の自己流でタイピングを身に着けてきて、それが「当たり前」と思われている方が大変多く存在しています。

  • 正しい指づかいで下を見ずに入力をする
  • 誤字脱字はなるべく減らす
  • 10分間に800文字程度は余裕で打つ

といったような基準で選別をしてみたら、ザルの上に残る社会人はまぁまぁいないはずです。

タイピング2級や1級のレベルになってくると、これくらいはできないと合格できません。

タイピング検定は残念ながら日本社会で力をそんなに持っていません。

通用力がほとんどないに等しい状況ではありますが、検定を持っているあなたは確実に他人様に誇れる技能を持っているのだと自信を持ってください。

履歴書には誇れないかもしれませんが、実務の世界ではしっかりと通用します。

〇このブログ記事のまとめ〇

タイピングの検定を履歴書に書いて恥ずかしいかどうか、どのくらいの級が書くにふさわしいのかなど、筆者の見解をご紹介しました。

迷われている方は、ぜひいち意見として参考にしていただけますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。