「プログラマー」「エンジニア」「データサイエンティスト」などなど、ITの分野がアツい現在。
ついついIT系の仕事は、一般の方から思われるとハードルが高いように思われるかもしれません。
ところで、パソコン教室の先生だって一応、「IT」の仕事に分類されるはず。
そりゃあ、エンジニアさんや技術者さんたちとは分類が全く違いますが、パソコン・ITの世界へ皆さんを引っ張り込むという意味では、立派なIT分野のお仕事です。
今日はそんな「パソコン教室の先生」ならば誰でもなれるのか?といった疑問にお答えしたいと思います。
もくじ
誰でもパソコン教室の先生になれる?
極論。
よっぽどのパソコンオンチでなければ、誰でもなることができます。
空飛ぶパイロットのように、
「視力が1.0以上有していることを求める」
なんていう特別で厳格な条件もありません。
特別な条件が求められたとしても、それはあくまで求人募集をしている企業・会社が定義している場合のみ。
中にはインストラクター勤務が未経験でも募集・採用をしている教室はありますので、経験がないからといって決して嘆く必要はありません。
そして、ご自身が任意で
「最低限でもこれくらいのスキルはいるよね…」
「自分にはこれが足りないから、ちょっと練習しようかな」
といったような自覚をしているならば、あなたは十分パソコン教室の先生を目指す資格はあります。
※インストラクター未経験者でもOKというところでも、たまに怪しい教室もあります。
いきなり採用されて教室を一人でフル稼働させなければならない、といったようなキツイ業務のところは要注意を!
雇用形態を気にしなければ採用される
雇用形態を問わないのであれば、採用はされやすいです。
実際、掲載されている求人のほとんどは、パート社員やアルバイトの募集だったりします。
その理由が、ほとんどのパソコン教室の運営はパート社員やアルバイト社員が行っていることが多いからです。
中には、子どもがいるママさんをターゲットにしたような求人もあるくらいで、
「勤務の融通が利きます」
「子供の体調不良などで、急なお休みもOK!」
といったような記載が見られます。
逆に言えば、それはパート・アルバイトだからこそできる勤務です。
ですので、正社員につけてあげるようながっちりした福利厚生はないため、企業側・パソコン教室側も募集、採用しやすいメリットで考えるとどうしても、パート・アルバイトがメインになってきてしまうのです。
そのため、パートやアルバイトでも大丈夫、もしくは、パートやアルバイトから正社員を目指そうとしている方であれば、採用はされやすいかと思います。
正社員はいたとしても、各教室に一人程度。
もちろん、正社員になると授業運営は勿論、集客もメインでやらなければいけませんし、教室の備品管理、各種届出の処理などなど、仕事は尽きません。
要は教室運営のためにフル稼働しなければならず、与えられる給与や待遇が高い分、負う責任も多いというわけです。
また、教室の経営も一筋縄ではいきませんから、授業以外にも「ノルマ」が課せられる場合があったりします。
例えば、
- パソコンやパソコン周辺グッズの積極的な販売(会社が仕入れた商品)
- 月に○人以上入会させるというような入会促進活動
今の時代、どうしてもパソコン教室は純粋にパソコンの授業だけで食べていけない、と考えている会社は多いです。
そのため、社内で仕入れたパソコンを生徒さんに販売したり、教室に通う人数も減ってしまうと上からのプレッシャーがあったりする会社もありますので、それらの点がどうしても正社員にとってはキツイものです。
ですので、正社員を目指す方は、これらが求められると思っておいたほうがよいでしょう。
こんな素質があったら向いている
ただ、ある程度ご自身に素質というものがあるかどうか、見極める必要があります。
勿論、今の時点で完璧でなくてもOKです。
あくまで「素質」があるかどうかです。
それは以下の3つ。
- 超最低限のパソコンスキル
→マウス操作、指はバラバラでもなんとかなるので取りあえず入力ができること
ワードとエクセルを少し触ったことがあるなら、まだ何とかなる - 人に伝える力
→自分がなるべく易しい言葉で伝えられるかどうか、伝える努力が出来そうかどうか
「マウスでクリックをする」→「左をぽちっと1回押す」など
また、何度でも同じことを寄り添って教えられるかどうか - コミュニケーションスキル
→誠実に対応できるか、困ったときに相談しやすいかどうか
最低限の愛想をもって対応できるか(一応お客様商売なので、こういうところも求められます)
あとは、全力で修行(研修)期間を乗り切ること。
研修期間が終わっても、質問対応に苦労するようであれば、まだまだ見習い期間中だと言えます。
ですが逆に言いますと、ここが成長のチャンス。
質問対応などは、まさしく「生きた」パソコンインストラクターとしての経験値になってきます。
そのため、対応できない時はなかなか悔しいでしょうが、希望を捨てず、あきらめずに慣れるまで頑張ってみましょう。
パソコン教室の先生の資格はあるの?
学校の先生なら教員免許、お医者さんや看護師さんなら国家試験などなど、仕事に関する試験、資格は多種多様ですよね。
一方、パソコン教室の先生にそういった資格があるのかというと、実は明確な資格は存在しません。
なので、極端な話、「自称」でもパソコン教室の先生になれてしまうのです。
ただ、教えてもらう側としては、実力を示すものがなければ、
「この先生で本当に大丈夫かなぁ…」
と思う人もいらっしゃるのは事実。
今すぐとは言いませんが、パソコン教室の先生として働き始めてから大体慣れてきたころには、
- MOS(Microsoft Office Specialist)
- P検
- 日商PC検定
といったようなパソコンのスキルを示す資格は、どれか取っておくとよいでしょう。
最低限のスキルは持ち合わせているということを示すことができます。
また、求人の応募欄には「できれば○○を取得している方」という記述もあったりします。
持っていない場合には、その資格を取得することを目指すと良いでしょう。
パソコン教室によって授業形態は違う
全国津々浦々、色んなパソコン教室があります。
そのため、教える方法、指導スタイルも教室によっては色々。
動画を見ながら学習するといったスタイルの教室もあれば、テキストを見ながら自分で学習を進めていく教室もあり、また、集団で講義をするような授業スタイルの教室もあったりします。
このように授業のスタイルが違うだけで、教え方も違いますし、求められることも多少違ってきたりします。
テキストを見ながら進めていく個別指導であれば、生徒さんによって学んでいる内容は違いますので、分野関係なしに色々なことに応えられなければいけません。
最初に答えたのはExcelの問題で、次に質問が来たのはPowerPoint、なんていうことは個別指導ではしょっちゅうです。
逆に集団へ講義するスタイルのパソコン教室であるならば、一度に大勢の人に向けて簡潔に伝える力や板書を分かりやすくする力が要ります。
加えて、プロジェクターなどの周辺機器を使えるようにもならなければなりません。
時間内に授業を終えることはもちろん、授業で使う資料などの用意までも必要になってきます。
教室によってもそのような授業の違いがあることを知っておきましょう。
パソコン教室で働くには一生自習
「一生」というと大袈裟かもしれませんが、本気で筆者は言っています。
パソコンインストラクターとして働いて食べていくのであれば、自習は死ぬまでついて回ってきます。
最新の情報はもちろん、あらゆる分野の知識に興味関心を持ち、自分自身のデータベースをアップデートしていかなければいけないのです。
ゆくゆくは上級レベルの資格も取るべし
先ほどは、「最低限の資格を持っている必要がある」とご紹介しました。
パソコンインストラクターになったときから1年程度までなら、最低レベルの資格でも許してもらえるでしょう。
「仕事も慣れていないし、対応経験もないからしょうがないよね」
と周囲の目が優しいことはあります。
しかしながら、2年目、3年目になってくるとそうもいきません。
「え、この先生もう新人じゃないのに、まだこんなこと知らないの?」
「勤務し始めて2年経ったけど、いろんな授業を任せたいのに…。まだ無理そうだなぁ」
と思われることも。
確かにインストラクターになると、もちろん覚えなければいけないことが多くてしんどいこともたくさんあります。
ですが、その勢いに流されているとあっという間に1年は過ぎてしまいます。
「勉強はできるときにすればいいや!」ではいけません。
自分で無理矢理にでも、時間をもうけて勉強したり、資格を取ったりして、自分のレベルを上げて行かなければならないのです。
復習は最低限。
絶えずレベルを上げて行かなければ、1人前のインストラクターにはなれないのです。
知識の幅もエンドレスに広げる必要が
またどのパソコン教室の先生にも求められるのが、「自分で勉強する」こと。
パソコン教室の先生はなりやすいですが、奥が深いお仕事でもあります。
様々な分野を「広―く」知っておく必要がありますし、それを聞かれた際には分かりやすく答えることが求められます。
オフィスの勉強はもちろん大事ですし、一番求められる分野ではありますから、ある程度知識を深めておかなければなりませんが、それと同時に以下のような分野も知識を深めておくといいでしょう。
- SNS(Twitter、Instagram、Facebook、LINE、Tiktokなどなど)
- インターネットショッピング(ヤフオク、Amazon等々)
- ビデオ通話(ZOOM、TEAMS、SKYPEなどのリモート機能について)
- ネットワーク関係(一般家庭でのネットワークの仕組みなど)
- ホームぺージ作成
- 画像・動画編集(PhotoshopやIllustrator、Premiere Proなど)
などなど。
深く知っておく必要はありませんが、いずれは聞かれることも増えてきます。
そのため、浅く広く、簡単な程度でもいいので多分野にわたっての見識を持っておくことが大切です。
けれども、全て出来ようと思う必要はありません。
人間ですから、それこそコンピューターのように万能ではないのです。
そのため、あまり詳しくない分野のことを聞かれた際は
「これはこういうもので、こんな感じで知られています。ただ、私は専門外でして…あまり詳しくは存じ上げません」
というふうに生徒さんに答えてもOK。
ただし、その「専門外」の範囲があまりに多いようであれば、インストラクターは務まりません。
オフィスのスキル+自分で何か「専門」と言える分野の知識を持っておくと、パソコン教室の先生は十分務まるのではないでしょうか。
自習と労働の割に給料は上がりにくい
これは、何も筆者が現在の給料に対して、愚痴を言っているのではありません。
どこのパソコン教室でもそうなのです。
「これだけ仕事終わりに勉強して、昼間は一生懸命授業運営しているのに…!」
なんて思われる方もいるでしょうが。
パートでも正社員でも、簡単に給料は上がっていきません。
まれに
「この資格を取ると、時給30円アップね!」
といったような資格取得を推奨して時給を挙げる会社もあるようですが、ごくごく一部。
ほとんどの教室では、どれだけ勉強しても努力しても時給はかんたんに変わらないことが多いです。
よーくよく見てみると、年収は平均より下…なんてこともざらにあります。
ですので、給料・待遇UPを期待して勉強をするのならば、大間違い。
ある意味本当に好きな人でないと、この仕事は続けられないですね。
○このブログ記事のまとめ○
パソコン教室の先生は誰でもなれるのかどうかについて、また、求められることについて簡単にお伝えしました。
パソコンを使いこなせる人だけが、インストラクターとして生き残るわけではありません。
インストラクターになって、どれだけ頑張るか、どれだけ勉強を続けられるかが、インストラクターを続けていけるかどうかに関わってきます。
ですから、
「私はパソコン、そもそも得意じゃないし…」
とあきらめる必要はありません。
自分がインストラクターになって頑張れるのならば、そして続けてみて楽しいのであれば、あなたはインストラクターに間違いなく向いています。
本当にこの仕事に興味があるのであれば、ぜひチャレンジをしていただけると嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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